2023年8月に行われたワールドカップでは、日本代表のキャプテンとしてチームをまとめ、パリオリンピック出場権獲得に貢献した富樫勇樹選手。
長年日本のバスケ界を引っ張ってきた富樫選手も30歳となりベテランの域に差し掛かってきましたが、トッププレイヤーとしてまだまだBリーグの顔ともいうべき存在です。
この記事では日本代表、富樫勇樹選手の
- プロフィール
- 小学生から高校生までの経歴
- プレースタイル、凄さ
について紹介していきます。
目次
富樫勇樹のプロフィール
身長:167cm
体重:65kg
生年月日:1993年7月30日
出身地:新潟県
ポジション:PG
経歴:本丸中学校→モントロス・クリスチャン高校→秋田ノーザンハピネッツ(2012‐14)→テキサス・レジェンズ(2014‐15)→千葉ジェッツ(2015~)
富樫選手は168cm、65kgと小柄ですが、卓越したスキルやスピード、正確なパスでチームを牽引する攻撃的なポイントガードです。
身長の高さが有利に働くバスケットボールですが、高いハンドリングスキルとシュート力をいかして身長の不利を感じさせないプレイで常勝千葉ジェッツを引っ張っています。
完成されたスキルは日本人Bリーガーのなかでもナンバーワンといえるのではないでしょうか。
富樫勇樹の幼少期、バスケを始めたきっかけは?
富樫選手の家庭は父親がバスケのコーチ、姉妹もバスケ経験者でバスケ一家です。
バスケ経験者だった両親の影響もあり、1歳を過ぎたころにはおもちゃのゴールでシュート練習をしていたといい、幼いときから富樫選手にとってバスケは身近な存在でした。
小さいときからバスケが大好きで、小学生にあがるころには家にバスケットゴールがあって、ボールは常に触っていたようです。
プロの試合でも小さいときと変わらずバスケを楽しんでプレイする姿がみられ、バスケが好きだということがよく伝わってきます。
富樫勇樹のミニバス時代
小学生1年生のときに地元のミニバスに入って本格的にバスケをはじめた富樫選手。
父、英樹さんの話によると、このころからボールを扱うのが上手かったそうです。
4年生のころから主力として試合に出るようになり、5年生のときには全国大会に出場しています。
6年生のときは6年生が2人しかいない下級生中心のチーム状況のなか、県1位のチームに予選で敗れ全国大会出場を逃しています。
富樫勇樹の中学時代
中学校は当時富樫選手の父親が監督をしていた強豪、本丸中学校に進学しています。
全中には3年連続で出場して富樫選手が1年生と2年生のときには全国3位の成績を残しました。
地元新潟でおこなわれた3年生のときの全国大会では、現在Bリーグで活躍している田渡凌選手率いる京北中学校との激闘を74対68で制して優勝を果たしています。
このころには富樫選手の得意技の1つでもある、DFのブロックをかわすためにふわっとボールを高くうかせるようにして打つフローターシュートをマスターしていました。
また中学2年生、3年生のときにはアンダーカテゴリーの日本代表に選ばれています。
富樫勇樹の高校時代
中学を卒業した富樫選手は、英語は話せない状態でしたが自身のさらなる成長のためアメリカ留学を決断しました。
進学したアメリカのモントロス・クリスチャン校はNBA選手を多く輩出している強豪校です。
最初は身長の低い日本人にチームメイトはパスもくれない状況だったそうですが、徐々にチームメイトに認められ活躍できるようになっていきました。
高校での活躍が認められディビジョンⅠの大学からの誘いもありましたが、学費全額免除で行くことを目標としていた富樫選手はそれがかなわず、
アメリカの大学には進学せず当時bjリーグに所属していた秋田ノーザンハピネッツに入団しています。
富樫勇樹のプレースタイル、凄さは?
秋田に入団後、1年目には新人賞、2年目にはアシスト王とベスト5に選ばれ、着実にステップアップし、現在は日本代表のキャプテンとなった富樫選手。
ここからは富樫選手のプレースタイルと凄さについて紹介していきます。
富樫勇樹のプレースタイル
富樫選手のプレースタイルを一言で表現するなら、得点できる司令塔です。
昔の日本選手は、パスを中心にゲームをコントロールするタイプの司令塔の選手が多く得点力に優れたタイプの選手はあまりいませんでした。
最近はピック&ロールを使って積極的にリングにアタックしたり、3Pシュートを狙う選手が増えてポイントガードの選手が得点を量産するのは当たり前の時代になっています。
日本でもそのような選手は増えてきていますが、富樫選手はその第一人者であり、Bリーグを代表する攻撃的ガードだと思います。
ピック&ロールで自分で得点したり、チームメイトの得点を演出したりと、得点とアシストを両立できる選手です。
富樫勇樹の凄いところ7選
次は富樫選手の凄いところを紹介していきます。
富樫選手の凄さはどのようなところにあるのでしょうか。
冷静沈着にゲームをコントロール
富樫選手はつねに冷静沈着なプレイヤーで、試合を落ち着いてコントロールします。
流れの悪い時間帯にシュートを決めて相手のいい流れを断ち切ったり、ディフェンスのプレスやダブルチームといった激しいプレッシャーにも冷静に対応することができます。
司令塔としてゲームをコントロールする力にたけていてチームを勝利に導く存在です。
勝負強さ
富樫選手は幾度となく試合を決めるビッグショットを沈めてきました。
ディフェンスが厳しくシュートチェックにきた、難しい体勢のシュートでもシュートを決めきる力があります。
ほかの選手にはタフショットに見えても富樫選手にはタフショットにならないところがすごいところです。
当たりだしたら止まらない爆発力
富樫選手はタッチをつかめば3Pを立て続けに沈め、試合を通して50%を超える高確率で5本、6本と決めてきます。
得点のキャリアハイは42得点、3ポイントシュート成功数のキャリアハイは11本です。
1試合の3ポイント成功数11本はBリーグ記録です。
今シーズンはBリーグ史上初の3ポイントシュート900本成功の偉業を達成し、さらに自身の持つ記録を更新しています。
得点を取ることだけに集中すれば、毎試合30得点以上を記録するのも難しくはないでしょう。
豊富な得点パターン
富樫選手はさまざまなかたちでシュートを決めることができ、得点パターンが豊富です。
難易度が高いといわれるプルアップ(ドリブルをついてディフェンスと駆け引きしてから打つジャンプシュート)の3Pやフローターシュートを難なく決めきることができます。
またプルアップシュートでも右後ろに下がりながらや左後ろに下がりながらシュート(ステップバックシュート)を打ったり、横にステップを踏みながら移動してシュート(ステップサイド)を打ったりするなど様々なかたちが見られます。
ピック&ロールが上手い
富樫選手はピック&ロールを使うのが上手く、味方にアシストパスを出して得点を演出したり、自分自身で得点したりすることができます。
ピック&ロールをする機会もチームから多く与えられていて富樫選手が中心となって千葉ジェッツのオフェンスを組み立てていきます。
自分で得点できて、シュートにつながるパスを味方に供給することもできるので、非常に抑えることが難しい選手のひとりです。
卓越したスピードを自由自在にコントロール
身長が低い選手が活躍するためにはスピードは不可欠ですが、富樫選手も卓越したスピードを持っています。
富樫選手のスピードが速いのはもちろんのことですが、とても軽やかなステップを踏むのが特徴的です。
ストライドを大きくとって走るタイプではなく、素早い足の回転で走るタイプの選手で、スピードだけではなくストップや加速が自由自在でディフェンスを翻弄しています。
怪我が少ない
富樫選手は怪我の少ない選手です。
富樫選手の長期離脱で思い浮かぶのは2019年のFIBAワールドカップに向けた強化合宿での右手の骨折です。
全治2カ月と診断され、ワールドカップに出場できませんでした。
あのときの怪我は非常に残念ではありましたが、それ以外では富樫選手が怪我で長期離脱しているのをほとんど見たことがありません。
怪我なくいつも元気な姿を試合で見られることは、チームにとっても、ファンにとってもありがたいことですね。
まとめ
この記事では、日本バスケットボール界を牽引してきた富樫勇樹選手の
- プロフィール
- 小学生から高校生までの経歴
- プレースタイル、凄さ
について紹介してきました。
身長167センチと小柄ながらアメリカで磨いてきた卓越した技術とスピードを武器に若いころから日本バスケットボール界を盛り上げてきました。
30歳となりベテランの域に差し掛かってきましたが、身長の不利を感じさせない完成したスキルを駆使して、まだまだBリーグのトップを走り続けています。
今後の千葉ジェッツ、パリオリンピックでの活躍が楽しみです。